歌番組のバックバンドの指揮者・ダン池田が書いた、「芸能界本日モ反省ノ色ナシ」。
暴露本の先駆けとなった本です。
かつては歌番組で歌手が歌う時、生バンドが後ろにいて そのバンドの演奏で歌手は歌っていました。
そのバンドの指揮者であったダン池田が、当時の歌手について 実名を出してボロクソに言ったのが、この本です。
ダン池田「芸能界 本日モ 反省ノ色ナシ」(昭和60年)
目次
はじめに・・・いまこそ天誅を加える時がきた
屈辱、侮辱、恥辱にまみれた
バンドマスター、怒りと復讐の日記
第一章 秋 ばかやろう
「紅白歌合戦はどこに行った」
田原俊彦、近藤真彦、菊池桃子、岡田有希子・・・・・・歌もうまくないジャリたちが、
はしゃぎまわってる芸能界、その番組づくりに私腹をこやすテレビ界なんてクソくらえだ」
「八代亜紀は近ごろ荒れている」
「忍」という字は「心」の上に「刃」と書くことに最近気づいた。そうなんだ。その刃がチクチク
心を刺すから、胸が痛むのだ。俺は、いまむしろ心は血だらけかもしれない。忍びながらも、
肉体では女を求め、セックスをしてしまう。しかし、心の中の彼女とは、たとえ夢でも
手を握れない。
「誰も俺たちの演奏なんか、聞いてない」
「ミエミエの音楽祭、歌謡祭の受賞決定」
「顔が売れてるのも困ったもの・・・」
「インチキの極み=オーディション番組」
すでにプロダクションに所属することが決まってる子が出ている。そして、その子はテレビ局
との約束で何週も勝ち抜いたりする。
<中略>「君こそスターだ」の高田みづえがそうだったから。
「いたいけな少女が大人たちの食い物に・・・」
「『このヤロウ』呼ばわりする年下のプロデューサー」
「他の世界で果たして生きていけるだろうか?」
嘔吐が続く。つらい。ノドをしぼり出すようにして吐く。血がまじってる。
このままバンドマスターを続けていたら、きっと俺、めちゃめちゃの身体になってしまう。
<中略>松田聖子が結婚するのなんてどうでもいい。俺にとっていま必要な歌手はあのコだ。
ああ、会いたい。会って思い切りセックスをしたい。電話をしたが、今日は不在。誰かに
抱かれているのか。もし、そうだとしたら・・・。
こんなバカなことを考えている俺が、果たして芸能界から足を洗えるのか。会いたい。俺に
とって唯一の白い花。
「早見優、ふざけるな!」
「スタジオ中にメンスの匂いが」
(夜の)ヒットスタジオ。くさい。もう女のメンスの日はたまらない。
「芸能界に復讐してやるんだ」
(昭和76年3月7日)
第2章 冬 ふざけんな、つうの
「『おはようございます』の挨拶も単なる合図」
岩崎良美もきれいだったが、今までで一番よかったのは、キャンディーズのスーちゃん。
「石川さゆり、よかったネ」
「五木ひろしはホント立派な男だ」
「・・・幸福は一生、来ないのだ」
嘔吐が続く。昨日と同じような胃液がこみあげ、しまりのない口から飛び出てくる。汚い。醜い。
どうしようもない。
「俺とあのコは、同じ方向を向いている」
俺は、きっとあのコをスターにしてみせる。中森明菜もいずれ引退する。小泉今日子もいつか
人気が衰える。岡田有希子は第2の桜田淳子か香坂みゆき。菊池桃子は伊藤つかさ。
きっとあのコの時代がやって来る。
「年下のディレクターにバカと呼ばれて」
「どうやら彼女に、惚れてしまったようだ」
歌手にしてやるなんて簡単にいっちゃったし、実際、身体もいただいちゃったけど、
そのくせ、なかなか実行に移せなくて、どうしようもない俺。
「梨本さん、あなたもまた」
「彼女のマンションで泥のように眠りたい」
「どうでもいい、聖子の破局」
「『生活』のための伴奏だということに気がつく」
早見優、石川秀美、堀ちえみ、あんなガキに芸術なんかないし、音楽も存在しない。
「一億の金があれば」
「芸能界で尊敬されている人はみなニセ者だ」
「情けない俺、何もできない俺」
(昭和76年4月4日)
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